不登校を考える~親と子どもの気持ち

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不登校を考える~親と子どもの気持ち

はじめに不登校とは…:不登校ってなに?

不登校ってなに?

文部科学省における不登校の定義は「何らかの心理的・情緒的・身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由を除いたもの」とされています。

不登校の現状:不登校の子どもはどれくらいいるの?

不登校の子どもはどれくらいいるの?

全国の不登校児童生徒は約16万人いると言われています。小学校0.70%(144人に1人) 、中学校3.65%(27人に1人)と増加傾向にあり、中学校ではクラスに1~2人程度、不登校生徒がいる計算になります。(平成30年度児童生徒の問題行動・不登校生徒指導上の諸課題に関する調査結果についてから引用)。

また、日本財団による不登校傾向※1の中学生は全国約33万人いるとされています(「2018年 不登校傾向にある子どもの実態調査報告書」)。

※1文部科学省が定義する「不登校」に該当しないものの教室に入らなかったり、登校していても遅刻・早退が多かったり、内心では毎日、「行きたくない」と感じたりしていること。

不登校児童生徒数の推移
(引用:平成30年度児童生徒の問題行動・不登校生徒指導上の諸課題に関する調査結果について)

不登校になるきっかけ:なぜ子どもは不登校に?

なぜ子どもは不登校に?

不登校になるきっかけは子どもによって様々です。いじめや友人関係、学業・進路などの学校に係る要因、子ども自身の性格や特性などの要因、家庭に係る要因など、きっかけは様々で、何か一つの要因だけで不登校になることは稀です。

多くは様々な要因が重なった結果、不登校になることが多く不登校児童生徒の数だけきっかけが存在するといっても過言ではありません。

子どもが何を考えているのか分からない…

親の気持ち

親の気持ち

自分の子どもが不登校になり子どもの将来を考えると不安や焦り、怒りが生じてしまうことは当然です。

「小学校までは問題なく通えていたのに…」、「他の子どもたちは通えているのに…」など次から次へと不安が生じてきます。子どもに不登校の理由を聞いても答えてくれなければなおさらです。

  • 子どもの将来が心配…
  • この生活はいつまで続くのか…
  • 学校に行ってほしい…

子どもの気持ち

子供の気持ち

上述したように子どもが不登校になるきっかけは様々です。いじめや友人関係のトラブル、学業への不安、家庭環境の問題など子どもなりに抱えている不安や悩みがあります。

これらを理解しないまま子どもと関わると関係性を崩し状況を悪化させてしまうこともあります。不登校の子どもはどのような気持ちを持っているのでしょうか?

不登校の子どもが多く口にする

  • 学校に行きたくない
  • 勉強したくない
  • お腹が痛いから行かない

etc…

これらの言葉だけを聞くと親としては怠けていると感じてしまうことが多いです。ですが、これらの言葉の裏にある気持ちを理解する必要があります。

子どもによく話を聴いてみると実は友人関係や教師との関係がうまくいっていないこと、お腹が痛くなってしまうのは学校に行くことのストレスが身体症状として表れていることも少なくありません(起立性調節障害など※2)。また、本当は学校に行きたい(行かなければならない)と思っている不登校児童生徒も多くいます。

※2自律神経の調節の乱れによって生じる病気のこと。「朝なかなか起きられない」「午前中は気分が落ち込み、午後になると元気になる」などが主な症状。

このような親と子どもの気持ちのすれ違いがお互いの溝を深め、状況を悪化させてしまうことがあります。また、子どもの気持ちを理解しないまま一方的に「学校に行きなさい」と言うことはあまり効果的ではなく、逆効果であることも多いです。

親の「学校に行ってほしい!」 でも、学校に通うことってそんなに大事?

親の「学校に行ってほしい!」 でも、学校に通うことってそんなに大事?

令和元年10月25日付 文部科学省が発表した「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)※3」において「不登校児童生徒への支援の在り方」に変化があったことはご存知でしょうか?

※3文部科学省から全国の小学校・中学校に向けて不登校に対する取り組みをまとめた通知のこと

「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)令和元年10月25日付」では以下のような記載がされています。

1.不登校児童生徒への支援に対する基本的な考え方

『不登校児童生徒への支援は,「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく,児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて,社会的に自立することを目指す必要があること。また,児童生徒によっては,不登校の時期が休養や自分を見つめ直す等の積極的な意味を持つことがある一方で,学業の遅れや進路選択上の不利益や社会的自立へのリスクが存在することに留意すること。』

つまり、以前の「学校に行かせること」を目標にされていた支援の在り方から学校復帰に捉われず「児童生徒自らが進路を主体的に捉え、社会的に自立すること」を目的にした支援の在り方へ変わりました。実際のところ、以前から学校復帰だけを目標としていたわけではありませんが、「学校に行くことを前提としている」と誤解を招く表現から教育関係者の中で混乱が生じていました。

また、「不登校の時期が休養や自分を見つめ直す等の積極的な意味を持つことがある」とあるように不登校を肯定的に捉える見方も出てきました。

とはいえ、上述で書いている通り、不登校によって学業の遅れや進路選択上の不利益や社会的自立へのリスクが存在することを忘れてはいけません。

そして、児童生徒の社会的自立に向けて、それぞれの子どもに合った学びの環境や人間関係の形成が重要であると認識されるようになりました。今後はICT教育※4やフリースクール※5などの多種多様な学び方が増えていくことが期待されています。

※4パソコンやタブレット端末、インターネットなどの情報通信技術を用いた教育手法のこと
※5主に不登校の子どもたちを受け入れる教育機関のこと

今後不登校の子どもとどう関わればいいの?

今後不登校の子どもとどう関わればいいの?

不登校児童生徒の支援の在り方の変化に伴い学校に行くことが必要不可欠ではないという時代になってきました。従来の「学校に通わなくてはいけない」という価値観や考え方が子どもたちにプレッシャーを与えていたことも否定はできません。支援の在り方が変化したことに伴い、学び方は今後ますますそれぞれの子どもたちに合った多種多様なものへと変わっていくかもしれません。

しかし、どのような社会的な変化・環境の変化があっても子どもたちの気持ちを理解することが大切であることは変わりません。そのために子どもとゆっくりと話す時間や向き合う時間を作ることが必要です。

そして、子どもの悩みを一人で抱える必要はありません。悩み事・困り事があればお近くの相談機関や教育機関(教育支援センター、スクールカウンセラー等)、児童相談所等にお気軽にご相談ください。

こころの家庭教師

厚生労働省 不登校やいじめ引きこもりなどの相談窓口

千葉県児童相談所

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